保険と名の付く商品に共通している「短期払い」ですが、
自分がかけている保険の保険料を見直すのに、短期払いというキーワードを聞いたことがある方が多いかと思います。
がん保険は終身払いと短期払いを比較したときに、どちらがお得になるのかを
実際に調べて比較してみました。
何かしらの保険に加入するときに、ほぼ必ず「保険料」を比較するかと思います。
ですが、その都度払う保険料は比較しても、払い込んだ保険料の最終合計までは
比較したことのある方は少ないのではないでしょうか?
まず、終身払いと短期払いのおさらいからしていきましょう
短期払いは、保障は一生涯続きますが、保険料の支払いは60歳や65歳など
一定期間で払い終わるタイプを指します。
終身払いは、保障は一生涯続きますが、保険料も一生涯払っていくタイプを指します。
また、定期保険や養老保険のような、満期がある契約で
満期まで保険料を払い続ける方法を「全期払い」といいます。
では、実際に試算してみましょう。
試算条件:30歳・男性 終身払いは80歳までと仮定します。
試算した保険は、AIG富士生命ダイレクト がん保険 がんベスト・ゴールドα をお借りしました
悪性新生物診断給付金 200万円
悪性新生物初回診断一時金 100万円
がん先進医療給付金 あり
上皮内新生物診断給付金 100万円
がん入院給付金 1万円
(がん手術給付金はがん入院給付金とセットのため、自動付加されています)
悪性新生物無事故給付金 あり
医療保障分を含まずに試算しています。
以上の条件を付加して試算しています。
【60歳払済と終身払い比較表】
プラン | 支払い年数 | 月額保険料 | 支払い総額 |
---|---|---|---|
60歳払済(30~60歳) | 30年 | 9,490円 | 3,416,400円 |
65歳払済(30~65歳) | 35年 | 8,728円 | 3,665,760円 |
終身払い(30~80歳) | 50年 | 7,520円 | 4,512,000円 |
実際の数字に起こして比較してみると、可視化されてわかりやすくなりますが
月額保険料は、終身払いが一番安いです。
が、保険料の支払い総額は60歳払済が一番安いです。
ちなみに、他のがん保険も含めて月額保険料と総払込保険料のどちらが
安いのかを簡単にまとめると以下のようになります。
月々の保険料 短期払い > 終身
総払込保険料 終身 > 短期払い
これは、身近にあるもので想像できますね。
保険の支払金額は、家や車などの高額商品を買うときに利用する『ローン』の繰り上げ返済をイメージするとわかりやすいかもしれません。
というのも、保険という商品を分割で支払うワケですが
ローンの分割回数も、分割支払いを少なくすればするほど
1回に支払う金額も高くなるのがほとんどですね。
繰り上げ返済を適応させて1回に支払う金額も高くすれば、
同じ金額の商品を購入しても、総合計でみたら
ローンの金利の差で少しではありますが安く手に入ります。
この点を踏まえて、終身払いと60歳・65歳まで払い込む短期払いの
メリット・デメリットをまとめてみましょう。
終身払い
メリット
・短期払いに比べて加入時の保険料が安い。
・保険料が安いので、今現在の保険料の支払いの負担を減らすことができる。
デメリット
・老後もずっと保険料を払っていく必要がある。
・生きている限り・一生涯保険料を払わないといけないため、収入が減った老後の負担が大きくなりやすい。
・貯蓄や資産運用など、多方面に回せる金額が減ってしまう可能性がある。
短期払い
メリット
・60歳・65歳で保険料が払い終わるので、払い終わった後の老後の保険料負担がなくなる。
デメリット
・保険加入時の保険料が高くなりがちになる。
・毎月の保険料が高い傾向にあるため、家計を圧迫する可能性がある。
簡潔にまとめてみましたが、保険料の支払いも一長一短なので
どちらがいいとは一概には言えません。
ですが、新しい保険が出たら、新しい保険にどんどん切り替えていきたいという方は
終身払いのほうが良いかもしれません。
しかし、数年単位で保険を切り替える場合は
年齢が上がっているので保険料が高くなる可能性や、もしくは健康状態がによっては特別条件が付いてしまったり、
契約内容やその時の状況によっては見直しができないケースがあることも念頭に入れておく必要があることを忘れないでください。
では、短期払いと終身払いの選び方選ぶ時の基準を見てみましょう
終身払いと短期払いのどちらが金銭的な面も含めて良いのかということですが、
一概にどちらが良いということは言えないことは上でまとめました。
支払総額という観点で考えれば、長生きすればするほど、短期払いの方が金銭面で良いということになります。
しかし、上記のような一部分の観点だけで損得を判断することはできません。
保険料を支払う方の状況や収入によってどちらの支払い方にするかを決めることが重要です。
では、短期払いと終身払いでどちらが向いているのかという疑問があると思います。
短期払いと終身払いの向き不向きをまとめてみました。
短期払いの方が向いている方
- 特に持病がなく、健康には自信があって長生きする可能性が高い・長生きする予定でいる方
- 老後に保険料を支払えるか不安がある方
- 加入した保険を見直す可能性が低く、解約する予定はない などなど
終身払いの方が向いている方
- 持病や家族の既往歴などから健康に自信がなく、長生きする可能性が低い方
- 毎月の保険料支払いの負担を極力下げたい方
- 加入した保険を見直す可能性が高く、解約する予定がある などなど
以上、まとめてみました。
特徴をまとめてみると、終身払いと短期払いの方向性が決まるかと思います。
実際に医療保険プランを組む際はどう考えれば良いのか?
基本的に短期払いプランを第一選択として考えるようにしましょう。
基本的にですが、若い年代のほうが支払い能力に余裕があります。
老後は病気に罹ったりしたなどで体力的な問題が発生したり、定年退職を迎えるなどで
どうしても収入が減少する時期に差し掛かるので、
支払い能力に余裕がある若いうちに保険料を払いきり、支払い総額を抑えていくのが理想ですね。
短期払いプランを選択すると月々の保険料が上がり、今現在の家計を圧迫するというデメリットは上で挙げましたが、
30代で家庭を持ち始めた頃というのは、医療などの保険以外にも教育費や住宅ローンなど様々な固定費が発生しやすいので、
固定費のひとつである保険料の負担をなるべく減らして、出費を抑えたいと考えるタイミングが発生するからです。
なので、加入する医療保険を選んだら
まずは終身払いと短期払い、両方のプランの月々支払う保険料を算出してもらいましょう。
それぞれの保険料とあなたの収入を見比べたうえで、短期払いプランでも家計は持ちこたえられる
収支に問題なしと判断したときに、短期払いプランを選びましょう。
一方で、短期払いプランだと今の家計が厳しい・収支に問題ありと判断すれば
終身払いプランを選択して月々の保険料負担を抑えることを優先しましょう。
終身払いを選択した場合は、老後も保険料を支払い続けることを想定したライフプランを一緒に検討していきましょう。
短期払いプランを優先とながら、収入と保険料負担を見比べて終身払いプランも視野に入れて比較・検討してみる
という風に考えることで、スムーズに支払いも含めたライフプランを選択することができるようになります。